モータの回転方向を制御

モータ制御基礎

本記事では、直流モータを例にして、モータの回転方向を制御する方法を説明します。

Point:結論

電子スイッチでモータ電流(巻線に流れる電流)の流れる向きを制御することでモータの回転方向を制御できます。

Reason:理由

モータの回転原理を説明した記事にて、ステータとロータによる電磁力が回転力を生み出すと説明しました。

電磁力はフレミングの左手の法則で発生します。

一般的に界磁による磁界の向きは、永久磁石を採用することも多く、変えられない事情があります。

そのため外部からモータへ与える電流の向きを反対方向に制御すれば、「巻線が受ける力」の向きを反転させられ、モータの回転方向を切り替えることができます。

電流の方向はモータに与える電源電圧の向きを変えることで実現できます。

しかし物理的に電源と巻線の接続を変えていては、いちいちモータを手で繋ぎ変えないといけないため、回転方向を動的に制御できません。

モータの回転方向を動的に制御する方法として、電子スイッチを用いる方法があります。

次項で直流モータを例に電子スイッチを用いたモータの回転方向制御について説明します。

Example:具体例

スイッチを2つ直列に繋げた組み合わせ(ハーフブリッジ回路)を、並列に2セット用意して、それぞれのスイッチ間と直流モータの巻線を下図のように接続します。

左上と右下のスイッチを下図のようにONすると、モータ電流が流れ、モータが回転します。

また右上と左下のスイッチを下図のようにONすると、電流が先ほどと比べ逆方向に流れ、モータが逆方向に回転します。

この構成には注意点があります。

左上と左下がON、右上と右下がONするパターンは下図のようにモータに流れない大電流が発生するため、そのような事態にならないよう安全対策が必要です。

このハーフブリッジ回路における上下の電子スイッチが同時にONする状態を上下短絡と呼びます。

これらスイッチをコントローラ等で制御できる電子スイッチに置き換えれば、物理的に電源と巻線の接続を変えなくとも、回転方向を制御できます。

Point:まとめ

  • モータ電流の流れる向きを制御することでモータの回転方向を制御できる。
  • 電子スイッチを2つ直列に接続したハーフブリッジ回路を並列に2セット組み合わせたをコントローラで制御すれば、物理的に電源と巻線の接続を変えなくとも、回転方向を制御できる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました