一口にモータと言っても、実際はいくつかの種類に分けられます。本記事では、モータの種類についてモータ制御の観点から簡単に説明します。
Point:結論

※ あくまで筆者が知る知識の範囲で簡単に分類してます。
Reason:理由
直流モータと交流モータ
モータについて、大きく直流モータ(DCモータ)と交流モータ(ACモータ)に分類されます。
モータの動力元である電気エネルギーの形態として、直流(DC)と交流(AC)があります。そのため、まず、ここで分類するのが分かりやすいと考えます。

直流モータの中にも構造上の違いでいくつか種類が分かれますが、筆者に直流モータを制御する製品開発の経験がなく、モータ制御の観点から必要な分類をできないため、ここまでに留めてます。
他にもステッピングモータや超音波モータ、ユニバーサルモータなどが考えられます。こちらも同様に筆者の知見が乏しく、適切な分類ができないため、記載しておりません。
(私の理解が進めばいつか本記事を更新したいところです。)
誘導モータと同期モータ
交流モータについて、大きく誘導モータ(非同期モータ)と同期モータに分類されます。
ここでは細かい説明を省きますが、誘導モータは交流の電気エネルギー(交流電源)を直接与えて駆動できます。一方、同期モータは専用機器を介して交流の電気エネルギーを与えることで駆動できます。

※ この専用機器について、モータドライバ、インバータ、アンプなどと呼ばれます。
モータ制御の観点から、簡単に交流モータを分類するには、この2種で十分と考えます。
巻線界磁型同期モータと永久磁石界磁型同期モータ
同期モータについて、大きく巻線界磁型同期モータと永久磁石界磁型同期モータに分類されます。
ここで界磁とは、モータが回転している部分と考えてください。

この界磁として電磁石となる巻線が取り付けられている同期モータが巻線界磁型同期モータです。一方、界磁として永久磁石が取り付けられている同期モータが永久磁石界磁型同期モータです。
巻線界磁型同期モータのメリットは界磁の磁力を調整できる点です。一方、永久磁石界磁型同期モータのメリットは固定の磁力を持つ界磁をシンプルにモータへ持たせることができる点です。

界磁の磁力を調整できたらメリットとなる点に疑問を持たれるかと思います。次項でもう少し掘り下げます。
Example:具体例
モータ特性の1つにモータ容量[W]があります。これはそのモータが出力可能な機械エネルギーを示します。
その他のモータ特性に回転数とトルクがあります。単位を省きますが、モータ容量=回転数×トルクの関係です。
永久磁石界磁型同期モータにおいて、同じモータ容量でも、回転数に特化したタイプやトルク(力)に特化したタイプ、バランスタイプなどが設計でき、基本的にその特性は変えられないです。

これら特性と界磁の磁力は密接な関係があります。
そのため巻線界磁型同期モータを採用して、回転数が低いときにトルクを大きくするなど設計が可能になります。
※ 筆者は永久磁石界磁型同期モータを制御するための専用機器を開発した経験があります。巻線界磁型同期モータを制御するための専用機器を開発した経験はないです。そのため間違えていたらすいません。
Point:まとめ
- モータについて、大きく直流モータ(DCモータ)と交流モータ(ACモータ)に分類される。
- 交流モータについて、大きく誘導モータと同期モータに分類される。
- 同期モータについて、大きく巻線界磁型同期モータと永久磁石界磁型同期モータに分類される。
- 巻線界磁型同期モータのメリットである「界磁の磁力を調整できる」点について、永久磁石界磁型同期モータでは固定となる回転数とトルクのモータ特性が可変できる。
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